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保育コラム

  • 更新日:2025年6月25日
  • 公開日:2025年6月25日

保育園運営と園児を守る保険ガイド、必要な補償と園・保護者が知っておくべき保険一覧

保育園運営と園児を守る保険ガイド、必要な補償と園・保護者が知っておくべき保険一覧

1. 保育園運営に不可欠なリスク対策と基本保険

1-1. 保育園が抱える主なリスクと責任範囲

園内事故や園児のケガ・トラブル

保育園では、遊具や室内環境による事故、園児同士のトラブル、散歩中の転倒など、様々なリスクが存在します。園児の安全を確保するためには、事故の予防だけでなく、万が一の補償体制を整えておくこともポイントです。

保護者や外部関係者との賠償リスク

送迎時や行事の際、保護者や第三者が園内外でケガや損害を被る場合があります。園の管理責任が問われるケースも多く、こうした賠償リスクに備える保険は、園運営の安定に直結する重要なポイントです。

自然災害・火災・設備不具合のリスク

地震や台風、火災といった自然災害はもちろん、設備の老朽化や突発的な不具合もリスク要因です。建物や施設の損害だけでなく、園児・職員の安全確保や復旧費用への備えも考慮する必要があります。

職員の労災・業務上トラブル

保育業務は体力・精神面ともに負担が大きく、職員がケガや病気、メンタル不調を抱えるケースもあります。万が一の労災や、業務上のトラブルに対応できる保険を用意することで、職員の安心感と定着率向上につながります。

1-2. 園の基本保険一覧

※保険名は、一般名称で記載

園賠償責任保険(施設賠償責任保険+生産物賠償責任保険)

園賠償責任保険は、園内での事故やトラブルによる損害賠償を幅広くカバーする保険です。施設賠償責任保険は、遊具や建物など園内設備が原因で園児や保護者にケガをさせた場合の補償を行います。さらに、生産物賠償責任保険は、園が提供する給食や教材、製作品による事故や健康被害を補償します。これらを組み合わせることで、園の管理責任全般に対応でき、想定外のトラブルが起きた際の経済的リスクを大幅に軽減できます。

園児総合補償制度(包括的園児補償)

園児総合補償制度は、園児のケガ・通園中の事故・賠償責任などを包括的に補償する保険です。幅広いリスクをカバーできるため、園児と保護者の安心感を高め、信頼される園運営に貢献します。

使用者賠償責任保険(園の管理責任補償)

使用者賠償責任保険は、園の管理不備が原因で職員がケガや病気になった場合、園が負う賠償責任を補償する保険です。園側の法的リスクを軽減し、職員と経営者双方が安心して働ける環境づくりを支えます。

団体総合生活保険(個人加入型)

団体総合生活保険は、保護者や職員が個人で加入できる総合型の保険です。医療費やケガ、賠償事故など幅広い補償が特徴で、園を通じて案内されることで、割安な保険料で必要な補償を確保できます。

1-3. 園経営者が知っておきたい補助・制度情報

自治体による保険料助成制度

自治体によっては、保育園が加入する各種保険料の一部を助成する制度があります。園の経費負担を抑えつつ、必要な補償を確保するためにも、最新の助成情報を積極的に確認・活用しましょう。

一時預かり・誰でも通園制度への補償拡大例

一時預かりや「こども誰でも通園制度」を利用する園児にも、万全の補償を整えることが求められます。既存の保険の適用範囲を見直し、必要に応じて補償拡大を検討することが、安心の園運営につながります。

保護者加入型団体総合生活保険の仕組み

団体総合生活保険は、保護者が任意で加入できる保険で、園児の事故や賠償リスクをカバーします。園全体での加入を促すことで、保護者の安心感が高まり、園への信頼にも直結します。

感染症・トラブル対応の特約内容

近年では、感染症リスクやトラブル対応をカバーする特約が注目されています。園児や職員が感染症にかかった場合の補償、弁護士費用の補償などを含め、園の実情に合わせた補償内容を整えることが重要です。

2. 園児と保護者を守る任意加入の保険と注意点

2-1. 園児向け任意保険の種類と特徴

えんじのほけん(園児のケガ・事故補償)

「えんじのほけん」は、園児が保育中や行事、通園の際にケガをした場合の医療費や見舞金を補償する保険です。補償範囲が広く、軽微なケガから重度の事故まで対応しており、保護者の経済的負担を軽減できます。

キッズガード(通園時・園外活動もカバー)

「キッズガード」は、保育園内だけでなく、通園途中や園外活動中のトラブルも補償対象となる保険です。園児自身のケガだけでなく、他人への賠償責任もカバーできるプランがあり、幅広いリスクに備えられます。

ほいくのほけん・こどもえんのほけんの概要

「ほいくのほけん」「こどもえんのほけん」は、園児・園・職員を総合的に補償するプランです。園児のケガや賠償事故だけでなく、職員の労災補償や園のトラブル対応も含めたセットプランが特徴です。

団体加入による費用メリット

任意保険は、園を通じて団体加入することで保険料が割安になる場合があります。個別に加入するよりもコストを抑えつつ、必要な補償を得られるため、多くの保護者にとって利用しやすい仕組みです。

参考:個人向け商品 | 全国私立保育連盟 事業部
参考:施設向け商品 | 全国私立保育連盟 事業部

2-2. 保護者目線で考える保険の必要性と選び方

加入を検討すべき家庭環境のケース例

園児が活発でケガをしやすい場合や、送迎が徒歩・自転車でリスクが高い場合、任意保険への加入は安心材料になります。また、共働き家庭や祖父母が送迎する場合も、予期せぬ事故に備えることが大切です。

既存の保険特約でカバーされている場合も

保護者がすでに加入している医療保険や傷害保険に、子ども向けの特約が付いていることがあります。内容を確認し、重複しないよう注意しましょう。必要以上の保険料負担を避けるためにも見直しが重要です。

保険料と補償内容のバランスを比較する

任意保険は、保険料と補償内容のバランスを見て選ぶことがポイントです。安さだけで選ぶと十分な補償が得られない場合があるため、万が一のリスクと家計の負担を両面から考慮して加入を検討しましょう。

事故時の請求手続きや注意点を把握する

保険加入後は、事故発生時の手続き方法を事前に確認しておくことが重要です。園を通じた手続きや必要書類、保険会社への連絡フローを把握しておくことで、スムーズな補償対応が可能になります。

2-3. 園からの案内時に押さえるポイント

義務か任意かを明確に伝える必要性

園から保護者に保険の案内をする際は、加入が義務か任意かを明確に伝えることが大切です。誤解を避けるため、制度の概要と加入の自由度をしっかり説明し、保護者が安心して判断できるよう配慮しましょう。

補償範囲と制限事項を丁寧に説明

保険の補償範囲や適用されないケースを正確に伝えることも重要です。補償内容を過信せず、保護者が理解した上で加入できるよう、具体例を交えた丁寧な説明を心がけましょう。

保護者の疑問・不安を事前に解消する

保険に関する保護者の疑問や不安は、園側で事前に解消することがトラブル防止につながります。パンフレットや説明会の活用、質問窓口の設置など、安心して選べる環境づくりが必要です。

トラブルを防ぐための書面・記録整備

任意保険の案内や加入確認は、口頭だけでなく書面で行い、記録を残すことが大切です。園と保護者双方の認識違いを防ぐため、申込書や説明書をしっかり整備し、必要に応じて保管しておきましょう。

3. 園全体のリスク管理も重要なポイント

3-1. 園全体で実践したいリスクマネジメント

事故・トラブル時の対応マニュアル整備

事故やトラブルが発生した際、迅速かつ的確に対応するためには、マニュアル整備が欠かせません。状況別の対応フローや緊急連絡先、保護者への説明方法などを明文化し、全職員が共有する体制を整えましょう。

定期的な保険見直しと情報更新の徹底

保険内容は、園の実情や社会状況に応じて定期的に見直すことが大切です。新たなリスクに対応する補償の追加や、保険料の最適化を図りながら、常に最新の補償内容を維持しましょう。

職員・保護者へのリスク啓発研修

リスク管理は、職員や保護者の理解と協力が不可欠です。定期的な研修や説明会を通じて、リスク意識を高め、事故防止やトラブル対応の意識を共有することで、園全体の安全管理レベルが向上します。

信頼される園運営につながる体制強化

補償体制の充実やリスクマネジメントの徹底は、保護者からの信頼獲得につながります。安心・安全を第一に考える園の姿勢を発信し、保護者・職員・地域から信頼される園運営を実現しましょう。