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保育コラム

  • 更新日:2025年5月28日
  • 公開日:2025年5月28日

もう迷わない!現場で信頼される保育士になるためのリーダーシップ完全ガイド

もう迷わない!現場で信頼される保育士になるためのリーダーシップ完全ガイド

1. 現場で求められる“リーダーシップ”とは何か?

1-1. リーダーとマネージャーの違いを整理しよう

指示する人ではなく“導く人”としての役割

保育現場でのリーダーは、単に指示を出す存在ではなく、周囲を巻き込みながら方向性を示し、主体的に行動できるよう導く役割を担います。自ら模範となって動く姿勢が、園全体に良い影響を与え、自然と信頼が集まる存在となります。

マネジメントだけでは不十分な理由

業務を管理し、スケジュールを調整する「マネジメント」だけでは、チームのモチベーションや信頼関係を築くには不十分です。保育士に求められるのは、日々の保育に情熱を持ち、仲間とともに現場を良くしようとする“リーダーシップ”です。

管理職でなくてもリーダーシップは必要

リーダーシップは役職に関係なく、すべての保育士に求められる力です。新人や中堅であっても、子どもや同僚のために積極的に動ける人は、自然と現場で頼られる存在になります。日々の行動の中でリーダーとしての素質は育まれます。

子ども・職員・保護者すべてに通じる力

リーダーシップは、保育に関わるすべての人との信頼関係づくりに直結します。子どもには安心感を、職員には連携の力を、保護者には信頼感をもたらす存在であるため、対人関係すべてに良い影響を与える総合的な力として重要です。

1-2. 保育現場におけるリーダーシップの重要性

園の雰囲気を左右する「見えない影響力」

リーダーのふるまいは、職員間の空気感や園の雰囲気に大きな影響を与えます。発言の仕方や姿勢一つでチーム全体のモチベーションが変わることもあり、その“見えない影響力”こそが、保育現場におけるリーダーシップの本質と言えます。

子どもへの関わり方も変わる

リーダーシップを持つ保育士は、子ども一人ひとりの様子に敏感で、的確な対応ができます。また、自ら率先して行動することで、子どもに安心感や信頼を与えることができ、子どもの自立心や社会性の発達にも良い影響を及ぼします。

チームの連携力を高める力

保育はチームで行う仕事であり、円滑な連携が欠かせません。リーダーシップを持つ人が率先して連絡・相談・共有を行うことで、他の職員も動きやすくなり、職員間の信頼関係が強まります。結果として保育の質も向上します。

非常時に発揮される判断力

トラブルや災害など、非常時にはリーダーの冷静な判断が園全体を守ります。迅速な対応、的確な指示、そして落ち着いた行動が、周囲の不安を和らげることに繋がります。日頃から備えを意識する姿勢も、信頼されるリーダーの証です。

1-3. リーダーシップを発揮している保育士の特徴

課題に気づき、提案できる力がある

日常の小さな違和感や課題に気づき、それを園全体の課題として捉え、建設的に提案できる保育士は、自然と信頼される存在になります。現場をよくしたいという思いを行動に移す姿勢が、リーダーシップの土台です。

周囲の意見を受け止める柔軟性がある

自分の考えを主張するだけでなく、周囲の意見に耳を傾け、多様な価値観を受け入れられる柔軟さは、チームの信頼を得るうえで欠かせません。相手の立場に立って考えられる姿勢が、真のリーダーシップに繋がります。

自分の言動に責任を持てる

リーダーは、周囲に影響を与える存在であるからこそ、自らの言動に責任を持つ必要があります。失敗を他人のせいにせず、自らの課題として受け止める姿勢が、職員からの信頼を集め、リーダーとしての器を育てます。

信頼を積み重ねる日々の姿勢

一朝一夕にリーダーになることはできません。日々の丁寧な仕事ぶり、誠実な対応、他者への気配りといった積み重ねこそが信頼を生み、周囲からリーダーとして認められる存在となっていきます。日常の行動がすべての基盤です。

2. 実践で磨く!リーダーシップスキルの身につけ方

2-1. 毎日の業務でできるリーダー力アップ習慣

自分の発言に「意図」を持つ

保育士として日常的に行う声かけや報告も、リーダーシップを磨く場になります。発言に目的や配慮があるかを意識することで、言葉の重みや影響力に気づくことができ、自分の立場を客観的に見る習慣が身につきます。

後輩や同僚の相談相手になる

リーダーシップは、人に頼られたり、信頼されたりする中で育まれます。自分の業務だけでなく、後輩や同僚の話に耳を傾け、悩みや課題に共感することで、周囲の信頼を得ると同時に、人を支える力が磨かれていきます。

「ありがとう」を意識して使う

日々の「ありがとう」は、職場の雰囲気を大きく左右する魔法の言葉です。感謝の気持ちをこまめに伝えることで、周囲のやる気を引き出すだけでなく、自分自身の心の余裕や他者への敬意も養われ、信頼関係の土台になります。

困りごとを可視化して一緒に解決する

自分だけで解決しようとするのではなく、困っていることを言語化・共有し、周囲と一緒に考えることができる力もリーダーシップの一つです。他人事にせず、課題をチームで乗り越える姿勢が現場の団結力を高めます。

2-2. 状況判断力と冷静さを鍛えるには

トラブル時の振り返りを習慣にする

保育現場では思わぬトラブルが起きることもあります。その都度「なぜそうなったのか」「どうすればよかったのか」を振り返ることで、次に活かせる判断材料が増え、冷静な対応力が自然と身につきます。

先読みの練習を日常で取り入れる

「この子は次にどう動くだろう」「この対応で保護者はどう感じるか」など、日常の場面で先を予測する習慣は、判断力の向上に直結します。日々の観察力と想像力を活かして、先手を打つ行動を心がけましょう。

「今、何が最優先か」を常に考える

複数の仕事やトラブルが重なる中でも、優先順位を冷静に判断できる力は、信頼されるリーダーに欠かせません。子ども・職員・保護者それぞれの状況を踏まえ、「今やるべきこと」を見極める習慣が重要です。

感情に左右されない対応を心がける

感情的にならず、常に落ち着いた対応を心がけることで、周囲にも安心感を与えます。特にトラブル時や人間関係の問題では、冷静さがリーダーシップの質を左右します。深呼吸や一時停止の習慣も効果的です。

3. 後輩やチームを育てる“伝える力”を磨こう

3-1. 保育現場でのコミュニケーションの質を高める

あいまいな言い回しを避ける

「できれば」「なるべく」などのあいまいな表現は、伝わり方にブレが生じやすく、誤解や行動のズレにつながります。明確な言葉を選ぶことで、相手が意図を正しく受け取りやすくなり、業務の効率や信頼関係の構築にもつながります。

相手の立場に立った声かけを意識する

指導や依頼を行う際は、自分の視点だけでなく、相手の気持ちや状況を想像して言葉を選ぶことが大切です。「伝えた」だけでなく「伝わる」ことを意識することで、コミュニケーションの質がぐっと高まります。

否定ではなく提案の言葉を使う

後輩や同僚に改善を促す場面では、「それは違う」ではなく「こうしてみるのはどうかな?」といった提案型の表現を心がけましょう。相手のやる気を削ぐことなく前向きな気づきを促すことができ、信頼関係も深まります。

褒め方・伝え方にも一貫性を持つ

褒め言葉や評価の基準にブレがあると、受け取る側に不信感が生まれることもあります。一貫した視点で伝えることで、公平性や安心感が生まれ、周囲のモチベーションアップや職場の風通しにも良い影響を与えます。

3-2. チームで動く意識を育てる関わり方

「任せること」に挑戦する

リーダーシップの一環として、自分で抱え込まずに仕事を“任せる”ことは大切です。信頼して任せることで相手の成長を促し、チーム全体の力を底上げすることにもつながります。小さな業務から始めてみましょう。

共有・相談のしやすい雰囲気づくり

相談や報告がしづらい雰囲気では、ミスや不安が表面化せず、トラブルの原因になります。ちょっとした声かけや雑談を大切にし、気軽に話せる空気感を日頃から作ることで、風通しの良い職場環境が育ちます。

縦だけでなく横の関係も大切に

リーダーシップは上下関係だけでなく、同僚同士の“横のつながり”にも現れます。年齢やキャリアに関係なく、お互いを尊重し合いながら協力できる関係を築くことで、組織としての一体感が高まり、保育の質も向上します。

園全体のビジョンを言葉で伝える

日々の業務が忙しい中でも、「なぜこの取り組みをするのか」といったビジョンを共有することは重要です。園の方針や目指す方向性を具体的な言葉で伝えることで、職員一人ひとりが目標を持って行動しやすくなります。

3-3. 成長を促すフィードバックの技術

具体的な行動に対して伝える

「よかったです」だけでは伝わりづらく、相手の成長にもつながりません。「〇〇の声かけが丁寧だった」など、具体的な行動に言及することで、何がよかったのかが明確になり、次回も同じ行動が取りやすくなります。

ポジティブな指摘と改善提案をセットで

注意や指摘をする際は、ネガティブな内容だけで終わらせず、良かった点や今後の改善提案をセットで伝えることが効果的です。相手の自己肯定感を損なわず、前向きな気持ちで次の行動に移るきっかけを作れます。

タイミングと環境を選ぶことが重要

フィードバックは“いつ、どこで”伝えるかも重要な要素です。周囲に人がいる状況では言いづらい内容も、時間と場所を選べばスムーズに伝わることがあります。相手の心理状態にも配慮しながら行いましょう。

フィードバックの積み重ねが信頼を築く

一度のフィードバックで変化を期待するのではなく、日常的に継続することで信頼関係が深まります。良い点・改善点を定期的に伝えることは、職員の成長を促すだけでなく、チーム全体の活性化にもつながります。