ごあいさつ

小1プロブレムといった言葉を耳にするようになって久しいですが、2014年度の国公私立の小中高校を対象にした問題行動調査結果が2015年9月に発表され、小学生による教師への暴力行為の発生件数が過去最多となったことが明らかになりました。またOECDによる2015年版幸福度調査の結果も発表され、読解力などの学習到達度は加盟国中でも最高水準にある一方、親と過ごす時間はOECD平均より大幅に短く、さらに子どもの貧困率ではOECD平均を上回り、中でもシングル家庭の子どもの貧困率が加盟国中で最も高い結果であることなども明らかとなりました。
より実感のある身近な状況を見ても、待機児童の問題をはじめとして、子どもが子どもらしく、子どもの時間の中でゆったりと安心して生活できる環境が乏しい状況であり、あらためて社会の責任を感じずにはいられません。今あらためて、こんなにも社会全体で子どもを守り育てていくという意識の重要性が問われた時代はかつての日本に無かったように思います。

こうした時代にあって、「保育」という分野が注目されていますが、社会インフラの一つとして、待機児童対策の名のもとに保育所の数が問題にされがちですが、今こそ保育の中身―「保育の質」について、本当に真剣に考えなければならない時にきているのだと思います。保育は「託児」ではなく、人間が生きていく為の力の基礎を獲得する「経験と学びの営み」であることは随分前から規定されているのですが、社会的な一般認識として定着しているのかというとまだまだな気がします。
教育経済学からみた乳幼児期の教育が注目され、合わせて非認知能力(肉体的・精神的健康や社会的・情動的性質、能力)という言葉を近頃よく耳にするようになりました。文字の読み書きや数の概念の理解といったいわゆる認知的スキルも大切ですが、もしかしたらそれ以上に、生活や遊び、友だちとのくぐりあいの中で経験し身に付けていく習慣や感覚(自制心や意欲、他者を思いやる心、計画する力…などなど)が、人が生きてく上では重要であるという、まさに保育所が大切にしてきた子どもの育ちを言い当てている見事な知見であろうと思います。

世界中が今や乳幼児期の育ちの重要性に気づき始めています。それは神話というレベルではなく、科学的な根拠を持って我々の目の前に示されつつあります。就労支援という段階から脱し、子どもの育ちから見た保育所の存在意義をあらためて今日的に理解し、世界に誇れる、これからの「日本の保育」を生み出していかなくてはなりません。
未来に渡っての一億総活躍を目指した時、これから生まれ来る命や子どもたちを含めた若き世代に、これからの日本を背負いっていける十分な力を備えさせていくことが今本当に必要であるように思います。

CHS子育て文化研究所有限会社
代表取締役  保坂 佳一

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